愛知県/名古屋市/建築家 VOID+FORM建築設計事務所 京都の古寺/庭園


事務所の紹介

京都探訪5
「蓮華寺」

金閣寺から足を伸ばして蓮花寺に寄ってみた。ここは小さな庭が広がる静かな場所でお気に入りの一つだ。アプローチが何とも簡素で良い。力が入っていない。

建物の中に入って庭を眺めるとき縁側に座らず部屋の奥から眺めてほしい。庇と縁で切り取られた庭が絵巻物のように目の前に広がっているように感じるはず。この庭も力が抜けていてついついゆっくりしてしまう。

蓮花寺に来たら是非お茶を所望しよう。裏庭が見える部屋に案内される。この時軽い衝撃を受けるはずだ。この裏庭は自然の岩壁を利用して作られていて奥行きが無い。手前に流れる小川と共にさながら渓谷のを模しているようだ。蓮花寺は紅葉の名所でもあるので紅葉の時期はことさら美しい。

京都探訪4
「金閣寺」

金閣寺はそのきらびやかなイメージからつい足が遠のいていたが近くに用事で来たので覗いてみた。確かに建築の設計をしているのに金閣寺を今まで見ていなかったとは恥ずかしい限りだがまあ許していただきたい。さて門をくぐり庭園を歩いて池の前に来るとさっと視界が広がり金閣寺が現れる。その演出は非常にストレートで施主の要求が何であったかよく分かる。たしかに見事だ。池の横を歩きながら建物に近づくとふとそのバランスの良さに気づいて足を止めた。この建物は3層毎に様式が違う。特に注目したのが1層目と2層目の構成だ。平面的なサイズは同じ大きさだが様式が異なると言う点である。そしてもし3層目が無ければ非常にモダンな空間構成である事に驚く。1層目の大きく解放された空間。2層目のやや閉じて一部が欠けた空間。木造建築と言うより鉄骨の現代建築が勝ち得た自由な空間構成としか言いようが無い。その上質感の暴力的なまでの対比。1層目は木と漆喰の質感で落ち着いているが2層目は金箔に覆われて質感を奪われ金の放つ鈍い光によってその存在さえも失うかのよだ。

背面から見るとそのような構成的な魅力は失うがちょうど光がうまい具合に当たっていたので写真を撮った。2層3層の軒裏を見てほしい。通常は暗くなるはずの場所が壁よりも明るくなっている。その事で建物の軽やかさを醸し出し極楽浄土を表しているとも言えるが、権力者は陰さえも落とさないのだと言う思想さえ感じられるは私だけだろうか。

京都探訪3
「高桐院」

高桐院は苔庭です。庭はフラットな地面に苔が一面生えて緑のベールが広がっているようです。そこに紅葉が散在しており枝が高い位置で広がりこれまた緑の霧の如く空間を覆っています。地面の緑と木々の緑、それらに包み込まれここに佇むと何かが優しく心に染み渡ってきます。特に5月中頃から6月の新緑の頃は薄黄緑色に空気が染まったのではないかと思うような雰囲気になりとても感動します。庭の奥には濃い緑竹林が広がりより手前の苔と紅葉の明るい緑を強調させています。また特筆に値するのがこのアプローチです。通りから入ると一度クランクした瞬間に門が枠となって絵画のように前庭の苔庭が目に飛び込んできます。そしてまたクランクすると一直線に伸びた写真のアプローチが現れ一気に奥へと気持ちが引き込まれます。紅葉に囲まれたこのアプローチを歩いているうちに徐々に世俗から離れて行く仕掛けなのでしょう。このアプローチの正面にもう一つ門があるのですがここを開け放つと方丈を抜けて奥の庭にある細川ガラシャの墓碑である灯籠がまっすぐ見えるようになっています。普段は門が開いていないので気が付きませんが非常に象徴的な構成ですね。どこか控えめでありながら何かを貫いたような雰囲気を持った空間の寺院です。


ちょっと時期が早くて緑のベールに包まれた感じではないですね。

京都探訪2
「大徳寺大仙院石庭」

今回は大仙院、前回の龍安寺石庭とは対照的な庭です。まずは圧倒的な石の量。ほとんど空間を埋め尽くさんばかり石。龍安寺石庭は海を表現しているとすればまさにここは源流。よくよく見るとそれぞれ違った種類の石を組み合わせておりよくぞ揃えた上にバランス良く配置したものだと感心させられます。次に大きな違いは建物の角に造られた庭であること。これにより庭に囲われた格好となり眺めると言うより深山幽谷に迷い込んだかのような趣を強めています。薄暗い北東の角(鬼門)にあるのも偶然ではないでしょう。さらに縁に座って庭を眺めるととても庭が近くに感じます。石は触れる距離にあるし、何と言っても縁の床から庭までの高さが20cm程しか無くより一体感を強めています。これらの空間的な操作は左写真の引き戸のある部屋(国宝茶室)へと結実して行くようです。言葉では説明しにくいのですが引き戸は床壁になっており外してしまえばこの部屋を中心にぐるりと庭が囲んで見えるはずです。(ほんと外してみたいですよ。)ちなみに右の写真の手前の石は利休が秀吉に茶をふるまった際に床に花を飾らずここに飾ってもてなし秀吉がたいそう喜んだという逸話が残っています。この石、縁と高さが揃っており床が広がったような印象を与えてくれます。これもまた意図的な空間操作で唸らせます。

 


京都探訪1
「龍安寺石庭」

春の龍安寺石庭。禅寺の枯山水では非常に異質な存在です。解説書などで特に語られるのはその石組みの素晴らしさが多いでしょうが、配置の妙は別として単純に空間の構成だけを考えるとこの庭広さにおいてこの石組みは明らかに物足りない量ですし、石自体のサイズも小さい。しかし、全体としてその不足感を補っているものは何か?実は石組みよりもその後ろにある塀なのです。この塀が非常に複雑な表情をもって無限の奥行き感を生み出しシンプルな白砂の模様や石組みの量の少なさを補いバランスをとっているのです。絵画で言うならば絵よりも額縁が非常に大きなウエートを占めると言う逆転の構図です。意図的か偶然かは分かりません。さらに奥行き感を出すために右奥の壁が手前から奥に高さが低くなって、透視図法的な仕掛けが施してあります。だまし絵のように奥行き感を強調しているのです。この庭は「対立の庭」とも言い換えることが出来るのかもしれません。「単調な白砂と複雑な土壁」「劣化の少ない石庭と劣化とともに年々表情を変える塀」「明るい庭と暗い塀」「作為を感じる庭と作為の及ばない塀の表情」「単なる構築の塀と配置の妙の石組み」さらに「囲われた庭と借景の空間」どうでしょうか?いろいろ他にもあると思いますからそうして見てみるのも楽しいですよ。ところでこの白砂、明るいですよね。これ光を反射して建物の中を明るくすると言う機能も備えているの知っていました?見た目のデザインだけではないところも感心させられます。

 

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